革財布をはじめとする革製品は、牛革や馬革(コードバン)など、さまざまな革素材を使用して作られますが、必ずしも特徴や魅力が同じというわけではありません。
例えば、ひと口に牛革と言っても、使用される部位や生後年数などによってその特徴や魅力は大きく変わってきます。そのため、牛革なら何でも自分に合うというわけではないでしょう。
そこで、より自分に最適な革財布を知りたいという人は、革の特徴や魅力を確認してから選んでみてはいかがでしょうか。
ここでは、
- 牛革(カウレザー)について ※見分け方
- 馬革(コードバン)について
- ワニ革(クロコダイルレザー)について
- 蛇革(パイソンレザー)について
- 一般知名度は低いけど貴重な革とは?
こちらについてご紹介します。
自分に最適な革財布を探している人や、革の特徴や魅力に興味があったという人は、ぜひ参考にしてみてください!
牛革(カウレザー)について
牛革の特徴
革製品において、牛革はもっともポピュラーな革素材と言えます。財布に限らず、バッグや靴など、幅広いアイテムで使用されている点が特徴の一つです。
多くの革製品に利用されている牛革は、“食肉加工の過程で生まれた副産物”として供給されているため、他の皮革に比べて入手しやすいメリットがあります。
また、牛革は性別や年齢(生後日数)によって名称や革の特徴が異なるというのが一般的です。
- カーフスキン:生後6ヶ月以内の仔牛(性別問わず)
- キップスキン:生後6ヶ月~2年までの中年の牛(性別問わず)
- ステアハイド:生後2年以上の雄の牛(生後3か月から6か月の間に去勢した雄牛)
- カウハイド:出産を経験した生後2年以上の雌の牛
上記は牛革の名称の一例ですが、肌触りや耐久性など、それぞれ特徴は大きく異なります。
具体的な特徴については、以下を参考にしてみてください!
カーフスキン
生後6ヶ月以内という限定的な牛革になるので、ケガによる傷はほとんどありません。また、キメ細かい繊維により、なめらかで柔らかな表面が特徴です。
生後3か月以内の仔牛の革である“ベビーカーフ”は、カーフよりもキメ細かな繊維と、柔らかさが特徴となっており、高級ブランドの革製品で使用されることが多い牛革になります。
キップスキン
キメの細かさやなめらかさはカーフと比べるとわずかに劣りますが、革が厚いため強度に優れているという特徴を持っています。
主に鞄をはじめとする、強度が必要な革製品に使用されています。
ステアハイド
採れる面積が大きく、平均した厚みと耐久性を持っているので使い勝手が良く、多種多様の革製品に使用されている牛革です。
また、他の牛革に比べて生産量と流通量が多いため、馴染み深い牛革と言えるでしょう。
カウハイド
採れる量が多く、ジャケットや鞄など、大型の革製品に使用されるケースが多い牛革になります。
カーフスキンやキップスキンと比べると劣りますが、雄牛よりもキメが細かく、なめらかである点が特徴です。また、厚みがあり、丈夫です。
牛革財布の特徴&魅力
前述した通り、ひと口に牛革と言っても、使用される部位はもちろん、生後日数などによって牛革の特徴は大きく異なります。
そのため、“好みの肌触り”や“好みの強度”などの好みに合わせやすい点が魅力です。
その他、供給量が多い牛革財布は、リーズナブルな価格で購入することができるので、予算に合わせて購入しやすいメリットがあります。
また、牛革財布は“エンボス加工”を施すことによって、クロコダイルレザーやパイソンレザーの見た目を再現することができる特徴を持ちます。
革財布を使用する醍醐味でもある“経年変化”は、鞣し方や使用される部位によって異なりますが、概ね楽しむことができるでしょう。
牛革で有名なブランド
牛革で有名なブランドについては、以下を参考にしてみてください!
ブランド |
ココマイスター 公式:ココマイスター 公式 関連記事:ココマイスターの評判は? |
アニアリ 公式:アニアリ 公式 財布一覧 関連記事:アニアリの評判は? |
ポールスミス 関連記事:ポール・スミスの評判 |
上記ブランドの他にも、基本的に革製品を取り扱っているブランドであれば、牛革を素材としたアイテムを豊富に取り扱っているでしょう。
また、ココマイスターは後述する“コードバン製品”の取り扱いもあるので、魅力的なコードバンを探している人や、革にこだわりを持っている人におすすめのブランドです。
馬革(コードバン)について
コードバンの特徴
馬革と言えば、“革のダイヤモンド”や“革の宝石”と呼ばれて親しまれている“コードバン”が有名ではないでしょうか。
コードバンが宝石にたとえられるのは、1頭の馬から採れる量が少ない希少性や、経年変化した時の美しい光沢感などが理由になります。
また、コードバンは馬の臀部の皮革のことを指していますが、他の皮革とは異なり、皮膚表面ではなく内側部分のみ使用する点もコードバンの特徴です。
具体的には、馬の臀部の表面の革を削っていき、厚さ2mmほどの“コードバン層”と呼ばれる繊維質を使用したものが、コードバンとして扱われています。
なお、コードバンは牛革と比較して3倍ほど丈夫と言われており、長く愛用できます。この丈夫さを裏付けるコードバン製品は“ランドセル”が有名でしょう。
コードバンをもっと詳しく知りたい
より詳しいコードバン情報を求めている人やコードバンの弱点、お手入れ方法に興味があるという人は、以下のページを参考にしてみてください!
コードバンに関する記事
▼お薦めの財布紹介
コードバン長財布と二つ折り財布なら日本製がおすすめ!
▼コードバン最高級シェルコードバンとは
シェルコードバンの特徴を解説!おすすめ財布ブランド5選
▼コードバンのお手入れ方法
コードバン財布の特徴と手入れ方法&おすすめクリーナー
コードバン財布の特徴&魅力
コードバンの財布は、購入当初から高級感溢れる雰囲気と、硬くも柔らかい独特な質感を楽しめる点が特徴です。
また、コードバン財布の最大の魅力は“経年変化”にあるでしょう。革のダイヤモンドと呼ばれることもあり、宝石のような光沢感は圧巻です。
コードバン財布は牛革の3倍ほどの強度を持つと言われていることから分かるように、非常に丈夫です。その一方、水分に弱く、傷も付きやすいため、雑に扱うには不向きの革財布と言えます。
コードバンの弱点を理解し、最適なお手入れを行うことで、一生モノの革財布として愛用することができる点が、コードバン財布の魅力の一つと言えるでしょう。
コードバンで有名なブランド
コードバンで有名なブランドについては、以下を参考にしてみてください!
ブランド |
GANZO 関連記事:GANZOの評判は? |
ココマイスター 関連記事:ココマイスターの評判は? |
CYPRIS 関連記事:キプリスの評判は? |
YUHAKU 公式:ユハク 公式 財布 関連記事:ユハクの評判は? |
コードバンを取り扱っているブランドはいくつかありますが、特に有名なブランドは上記の通りです。
また、通常のコードバンよりも価値が高く、最高級のコードバンとして有名な“シェルコードバン”を取り扱っているブランドもいくつかあります。
シェルコードバンについて詳しく知りたいという人は、ホーウィンのシェルコードバン財布。その評価と取扱い革ブランド4選を参考にしてみてください!
ワニ革(クロコダイルレザー)について
クロコダイルレザーの特徴
産地や種類によって、ウロコ模様や美しさなどが異なる点がクロコダイルレザーの特徴になります。また、クロコダイルレザーとして扱われる種類は、以下の通りです。
- イリエワニ(スモールクロコダイル)
- ナイルワニ(ナイルクロコダイル)
- ニューギニアワニ(ラージクロコダイル)
- シャムワニ(シャムクロコダイル)
ワニ革として扱われることもある“アリゲーター”や“カイマン”は、アリゲーター科に属することから、正確にはクロコダイルではないと言われています。
クロコダイルとして扱われる4種類とアリゲーター、カイマンを比べると、光沢感や穿孔など、特徴に大きな違いがあることが分かります。
価格面でも差が出てくるもので、高価な順番から、クロコダイル>アリゲーター>カイマンという流れが一般的です。
より詳しくクロコダイルレザーについて知りたいという人は、本物のクロコダイル(ワニ革)の見分け方と種類とは?購入前に要チェック!を参考にしてみてください!
クロコダイルレザー財布の特徴&魅力
クロコダイルレザー財布の最大の魅力は、やはり高級感にあるでしょう。
クロコダイルレザーは見る人すべての注目を集めるほどの美しさと、優れたファッション性など、あらゆる皮革の中でもトップクラスの魅力を持ちます。
触り心地は“マットクロコダイル”と“シャイニングクロコダイル”で異なりますが、前者はしっとりした手触りが特徴で、後者はなめらかな手触りが特徴です。
また、クロコダイルレザーの強度は牛革の10倍ほどと言われているので、長期間愛用したいという人との相性も良いでしょう。
経年変化においては、マットクロコダイル、シャイニングクロコダイルどちらでも楽しむことができます。
ただし、経年変化の仕方は異なり、マットクロコダイルは牛革の何倍もの油分が含まれているため、使うほどに光沢感が増していきます。
シャイニングクロコダイルは最初の光沢感が落ち着いていき、ほど良い艶感を楽しむことができるでしょう。
クロコダイルレザーで有名なブランド
クロコダイルレザーで有名なブランドについては、以下を参考にしてみてください!
ブランド |
革芸人 公式:革芸人 公式 財布一覧 |
池田工芸 公式:池田工芸 公式 関連記事:池田工芸の評判は? |
東京クロコダイル 公式:東京クロコダイル 公式 関連記事:東京クロコダイルの評判は? |
クロコダイルレザーはその希少性から、取り扱っているブランドは決して多くありません。
しかし、上記ブランドはクロコダイルを専門的に取り扱っているため、より魅力的なクロコダイルレザー製品を購入することができます。
クロコダイルレザーを取り扱うブランドが気になるという人は、上質なクロコダイル財布 おすすめブランド 厳選まとめを参考にしてみてください!
蛇革(パイソンレザー)について
パイソンレザーの特徴
パイソンレザーは、クロコダイルレザーと同じくエキゾチックレザーとして有名な皮革です。
クロコダイルレザーよりもワイルドな印象が強く、パイソン(蛇)模様などが特徴の一つになります。また、見た目とは裏腹に、革の質感は柔らかさを感じることができます。
高級皮革として扱われる一方、蛇は縁起物としても知られており、開運アイテムとして財布の素材に使用されることも少なくありません。
パイソンレザーを専門的に取り扱っているブランドは多くありませんが、価格帯はクロコダイルレザーよりも購入しやすいという一面を持ちます。
パイソンレザー財布の特徴&魅力
パイソンレザーは柔らかな質感と、パイソン模様が特徴です。天然皮革ということもあり、ウロコが重なりあっていたり、模様が残っていたリ、独特な雰囲気を楽しむことができます。
また、あまりパイソンレザーの経年変化は知られていませんが、丁寧に使い込むことで艶感が増し、アメ色に変わっていく様を楽しめます。
パイソンレザーにはクロコダイルレザー同様、艶出し加工を施している“シャイニングタイプ”と艶を抑える加工を施している“マットタイプ”があります。
パイソンレザーはファッションのアクセントにもなるので、お洒落をより楽しみたいという人との相性に優れているでしょう。
パイソンレザーで有名なブランド
パイソンレザーを専門的に取り扱っているブランドは多くありませんが、取り扱いブランドについては以下を参考にしてみてください!
ブランド |
リオ・デ・ピエドラ 公式:リオ・デ・ピエドラ 公式 |
Nakamura 公式:ナカムラ 公式 |
JAM HOME MADE |
この他、前述のクロコダイルレザーを取り扱っているブランドとして紹介した“革芸人”や“東京クロコダイル”などでも取り扱いがあります。
また、ハイブランドとして知られる“ルイ・ヴィトン”や“ボッテガ・ヴェネタ”などの高級ブランドも複数のパイソンレザーアイテムを展開しています。
一般知名度は低いけど貴重な革とは?
ここまで紹介した皮革の他、一般知名度こそ低いものの、貴重な革として扱われるものや、珍しい革が複数存在しています。
ここでは、貴重な革や珍しい革についてご紹介します。
豚革(ピッグスキン)
日本ではあまり知られていませんが、欧米では高級皮革として珍重されている革です。革好きの間では“唯一の国産皮革素材”として知られます。
また、昨今ではハイブランドがピッグスキン製品をこぞって展開したことにより、知名度も高まりつつあります。
羊革(シープスキン)
シープスキンとは“生後1年以上経った羊革”を指し、それよりも若い羊革は“ラムスキン”と呼ばれています。
シープスキンは購入当初から感じられる柔らかい質感が特徴ですが、ムートンブーツで使用されることもあり、その丈夫さは折り紙つきです。
ダチョウ革(オーストリッチ)
女性向けバッグをはじめとする革製品の素材になることが多い皮革が“オーストリッチ”です。ハイブランドの革財布が素材として選ぶこともあり、知名度は高めになります。
最大の特徴は羽が生えていた毛穴の跡である“クイールマーク”です。これはオーストリッチ皮全体の40%程度にしか存在しません。
このクイールマークが綺麗に出ているほど、高級品として取り扱われます。
まとめ
牛革にはたくさんの種類があり、それぞれに魅力や特徴があるので、自分の好みに合わせた財布を選びやすいのではないでしょうか。
また、革の特徴や魅力を理解することで、自分に最適な革製品を選びやすくなるので、購入前にしっかりとチェックすることをおすすめします。