「レザーの財布は長く使えると言うけど、実際のところはどうなの?」
「どんなレザーを選んでも長く使えるの?」
そんな疑問を持ったことはありませんか?
レザーの財布は、10年以上使うことも可能だと言われますが、いざ購入しようとすると、どう選べばいいのか迷ってしまうこともありますよね。
この記事では「せっかく新しく財布を買うなら、気に入った財布を長く愛用していきたい」と言う方に向けて、財布の寿命にまつわる基本知識から、長持ちする革の種類、選ぶ際のポイントまで詳しくご紹介します。
財布の平均寿命はどれくらい?一般的な財布買い替えの目安
一般的に、財布の寿命は3〜5年と言われています。
どんなに丁寧に扱っていても、毎日持ち歩くアイテムなので、徐々に汚れや擦れが出てくるのは避けられません。
機能的にはまだ使える状態でも、デザインに飽きてしまったり、ライフスタイルの変化によって、新しい形の財布が欲しくなることもありますよね。
一方で、あるアンケート調査では、5年以上同じ財布を使い続ける人が6割を超える結果になったことも。
(出典:kufura)
つまり、財布の寿命には個人差があり、その大きな分かれ目となるのが「素材の違い」です。
例えば、同じレザー素材の財布でも以下のような違いがあります。
- 合皮製:安価ですが、表面が剥がれたり、ひび割れたりしやすく、3年未満で買い替えが必要になる場合も。
- 本革製:高価ですが、定期的にメンテナンスをすることで、10年以上愛用することも可能。
こうした点からも、「長く使える」ことを基準に選びたいなら、やはり本革を使用した財布がおすすめです。
長く使える革ってどんなもの?種類と取り扱いブランド
では、本革の財布なら何を選んでも良いのかというと、そうでもないのがレザーの奥深いところ。
ここでは、特に耐久性に優れる3つの革と、それを取り扱っているブランドについて紹介していきます。
耐久性の高い革の種類
1. ブライドルレザー
ブライドルレザーは、もともと手綱などの馬具用に作られてきた革で、その背景から高い強度と耐久性を誇ります。
表面にはグリス(油脂やロウ)が塗り込まれており、使い始めはやや硬めですが、使うほどに柔らかく馴染んできます。
最大の特徴は、表面に浮き出た「ブルーム」と呼ばれる白い粉。
これは革に染み込んだグリスが表に現れたもので、使い込むことで少しずつ消えていくと同時に、ブライドルレザー特有の深い艶へと変化していきます。
ブラシなどで乾拭きをするだけでグリスが必要な場所に浸透していくため、メンテナンスにあまり手間がかからないのも特徴です。
おすすめのブライドルレザー財布を紹介しています
2. コードバン
「革のダイヤモンド」とも称されるコードバンは、馬の臀部(お尻)からごくわずかしか採れない、希少な素材です。
最大の特徴は、牛革の約3倍とも言われる高い強度と、ガラスのような美しい光沢。その独特の艶と深みのある表情は、他の革ではなかなか味わえません。
一方で、コードバンは銀面(皮表面の保護層)を削って加工されているため、傷がつきやすいという側面も。
その分、自分の使い方がそのまま革の風合いとして現れやすく、丁寧に付き合っていきたい方に向いています。
流通量が少ないため、他の革に比べて高価になりがちですが、それに見合う耐久性と美しさを兼ね備えた特別な素材と言えるでしょう。
おすすめのコードバン財布を紹介しています
3. ヌメ革
ヌメ革は、植物タンニンでじっくりと鞣された、ナチュラルな質感が魅力のレザーです。
表面加工をほとんど施していないため、革のシワや血筋などもそのまま現れ、ひとつひとつに個性があります。
鞣しの工程で繊維がしっかりと締まり、耐久性の面でも優れているため、長く使える素材として定評があります。
ヌメ革といえば、やはりオススメしたいのは、染色をしていないナチュラルなカラーのもの。
染色されていないヌメ革は、使い込むごとに飴色へと変化し、持ち主によってまったく異なる表情へ育っていきます。
おすすめのヌメ革財布を紹介しています
取り扱いのあるブランド
それでは、紹介してきたような、耐久性の高い革を多く取り扱い、かつ高品質な革小物を製造しているおすすめのブランドを紹介します。
1. CRAFSTO(クラフスト)
2020年に東京でスタートした新鋭ブランドです。
一般的な知名度はまだ高くありませんが、「永く愛用してこそ、究極のサステナブル」という理念のもと、上質な革小物を展開しています。
取り扱っているのは、ブライドルレザーやシェルコードバンなど、耐久性に優れた素材がメイン。 “Gender Neutral” をコンセプトの一つに掲げていて、性別を問わずに使えるシンプルなデザインも魅力です。
注目したいのは、革の内側の見えない部分にまでこだわった独自の構造設計。強度を高める独自の構造により、普段使いでも気兼ねなく使えるタフさを実現しています。
加えて、購入後の永年無料修理というアフターサポートも大きな魅力。コバの割れやステッチのほつれなども定期的にメンテナンスをしながら、コンセプト通り“永く愛用できる”財布として育てていくことができるブランドです。
2. GANZO(ガンゾ)
国内屈指のレザーブランドのひとつで、100年以上の歴史を持つ老舗ブランド。
革の選定から縫製、仕上げに至るまで、すべて熟練職人の手で行われており、その品質の高さは革好きの方なら知らない人はいないでしょう。
ブライドルレザー、コードバン、ヌメ革といった耐久性の高いレザーを中心に取り扱っており、各素材は世界中から厳選された一級品の素材を使用。中でもコードバンには、日本が世界に誇るタンナー「新喜皮革」の革を採用しています。
価格帯はやや高めですが、10年、20年と愛用できる「一生モノ」の財布を手に入れたい方にはまさに理想的なブランド。
“本物志向”の財布を求める人に、ぜひ一度触れてほしいブランドです。
長持ちするかは価格で変わる?
「価格が高い=高品質」とは限りませんが、とはいえ、ある程度のラインまでは、価格と品質は比例すると言うのが筆者の考えです。
たとえば、同じ「本革製」の財布であっても、数千円の量産品と、職人が手作業で仕立てたものでは、使い続けたときの耐久性には大きな差が生まれます。
感覚的な話にはなりますが、目安の価格としては2万円前後〜。
特に、コンパクトな財布やカードケースであれば、この価格帯からでも、質の高いしっかりした作りのものが手に入ります。
もちろん、価格だけですべてを判断できませんが、あまりに安価なものは、素材や縫製に不安が残るケースも少なくありません。
単純な価格だけを見比べるのではなく、「長く愛用できるかどうか」という視点で財布を選ぶと、結果的にコスパの良い選択につながります。
長く使える財布を選ぶためのポイント
長く愛用できる財布を選ぶうえでは、素材の耐久性はもちろん大切です。
ただ、それと同じくらい大切なのが、自分のライフスタイルや好みに合っているかという視点です。
たとえばデザイン面なら、どんな場面でも使いやすいシンプルなものが安心。ネイビーやブラック、ダークブラウンなど落ち着いた色味なら、年齢を重ねても違和感がなく、仕事とプライベートのどちらでも使いやすくなります。
また、最近はキャッシュレス化が進んでいるため、財布の大きさや形も人によって求めるものが変わってきました。
カードやスマホ決済が中心なら、小ぶりで厚みを抑えたタイプの方が持ち歩きが楽ですし、まだまだ現金を使う機会が多いのであれば、ある程度の収納力があった方がストレスなく使えるはずです。
財布は、毎日持ち歩くものだからこそ、素材や価格、ブランドなどの”スペック”だけでなく、自分にとっての使いやすさを大切にして選ぶことが、長く愛用できる財布を選ぶためのカギになります。
まとめ
長く使える財布を選ぶには、丈夫な素材だけでなく、ライフスタイルや好みに合っているかどうかも大切です。
飽きずに長く使えるデザインや持ち歩きやすいサイズ感、カードや現金の収納力など、“自分にとっての使いやすさ”を大切にすることで、愛着の湧く一本に出会えるはず。
この先も長く使い続けられる、一生モノの財布と出会うヒントになれば嬉しく思います。

