革財布の中には「柔らかい」という表現が使われることも多く、“柔らかい革財布はなぜ柔らかいのか”と考えたことがある人も多いのではないでしょうか?
柔らかいと表現される革財布が柔らかい理由は複数ありますが、一般的にはあまり知られていません。
また、柔らかい革財布のメリットやデメリットも分からないという人も多く、何となく柔らかい革財布の購入を避けているという人も見られます。
そこでここでは、
- 柔らかい革財布はなぜ柔らかいのか?
- 柔らかい革財布のメリット・デメリットとは
- 柔らかいメンズ革財布を取り扱うおすすめブランド財布5選
こちらについてご紹介します。
柔らかい革財布について詳しく知りたい人や、柔らかいメンズ革財布を取り扱うおすすめのブランド財布を知りたいという人は、ぜひ参考にしてみてください!
アイチャッチ画像の財布は、土屋鞄のトーンオイルヌメ クッションファスナー長財布です。
柔らかい革財布は”なぜ”柔らかいのか?
革財布を購入する際、柔らかい革財布はなぜ柔らかいのか?という疑問に感じる人も多いのではないでしょうか?
柔らかい革財布が柔らかい理由は、主に2つです。
- 使用される革が柔らかい
- 革の鞣(なめ)し方による柔らかさ
革には牛革をはじめ、馬革や羊革などの種類がありますが、すべての革が柔らかさを持っているわけではありません。
また、革の鞣し方によっても柔らかさが異なるので、鞣し方も革財布の柔らかさと密接な関係があります。
ここでは、柔らかい革財布が柔らかい2つの理由について詳しくご紹介します。
1.使用される革が柔らかい
革財布をはじめとする革製品の多くは牛革を素材としていますが、その他にはクロコダイルレザー(ワニ革)やホースレザー(馬革)など、さまざまな革が使用されます。
中でも柔らかい革として知られているのが、羊革や山羊革、鹿革です。パイソンレザー(ヘビ革)もほど良い柔らかさがあると言われています。
また、革製品の多くを占める素材として知られる牛革は、使用される部位によって柔らかさが異なるため、全てが硬い革というわけではありません。
例えば、生後6ヶ月までの仔牛の革である“カーフ”は、数ある牛革の中でも柔らかく、海外ハイブランドも素材として好む傾向にあります。
2.革の鞣し方による柔らかさ
柔らかい革財布が柔らかい理由は、前述の通り素材となる革が柔らかいということもありますが、ほとんどの場合、革の鞣し方による柔らかさによるものです。
“なめす”とは“鞣す”と表現されており、「鞣す→革を柔らかくする工程」という意味になります。
また、一般的な鞣し方は以下の通りです。
- クロム鞣し
- タンニン鞣し
- コンビネーション(混合)鞣し
それぞれ特徴がありますが、現在もっとも主流となっている鞣し方がクロム鞣しになります。また、古くから利用されていた鞣し方はタンニン鞣しです。
コンビネーション鞣しはクロム鞣しとタンニン鞣しの“いいとこ取り”をしたハイブリッド鞣しとして注目されています。
それぞれの鞣し方についてご紹介します。
クロム鞣しとは?
なめし剤に塩基性硫酸クロム塩を使用した、主流とも言える鞣し方です。クロム鞣しをすることで柔軟性や耐久性が高くなるので、多くの革製品で使用されています。
クロム鞣しされた革製品は薄くて軽く、革も柔らかい点が魅力です。また、水分に強く、リーズナブルな価格で購入できる点も魅力と言えます。
また、基本的に革製品をメンテナンスする必要はありませんが、経年変化はほとんどしないため、経年変化を楽しみたい人には向かない鞣し方になります。
タンニン鞣しとは?
渋み成分(タンニン)を用いて鞣す方法で、クロム鞣しが確立する以前は主流となっていた鞣し方です。クロム鞣しよりも時間と手間がかかるため、コストが高い一面も持ちます。
タンニン鞣しはハリとコシがあり、ほど良い柔らかさを持ちますが、クロム鞣しよりも柔軟性が少なく、やや硬い仕上がりが特徴です。水分に弱く、汚れやすいので、取り扱いには注意が必要になります。
また、クロム鞣しとは異なり経年変化に向いている鞣し方です。時間経過と共にたっぷり含まれたオイルが馴染んでいき、独特な柔らかさと光沢感を楽しむことができます。
コンビネーション鞣しとは?
クロム鞣しとタンニン鞣しのデメリットを解決している鞣し方です。クロムで鞣してからタンニンで鞣すことで、どちらのメリットも持つ革素材になります。
具体的には、タンニン鞣しならではの質感や経年変化の特徴を持ちつつ、クロム鞣しの柔軟性や耐久性を持っています。
ただし、クロム鞣しとタンニン鞣しの魅力を半分ずつ引き継いでいるため、一方と同等の魅力を持っているわけではありません。
つまり、クロム鞣しほどの柔軟性はなく、タンニン鞣しほど経年変化が顕著になるわけではありません。この点には注意が必要です。
より柔らかい革財布の組み合わせは?
ここまでご紹介した通り、柔らかい革財布が柔らかい理由は、革の種類や鞣し方によるものがほとんどです。
ここで気になるポイントは「どのような革の種類と鞣し方を組み合わせると、より柔らかくなるのか?」という点ではないでしょうか。
一般的に柔らかい革財布として体感しやすいのは羊革や山羊革ですが、クロム鞣しされている牛革でも柔らかさを感じることができます。
また、タンニン鞣しされた革財布である場合、経年変化することでクロム鞣しとは異なる柔らかさや、しっとりとした質感を楽しめる点が魅力です。
人によって理想の柔らかさは異なるので、一概にどちらが良いということはありません。
しかし、最初から柔らかさが欲しいという人はクロム鞣しの革財布が向いており、時間経過と共に柔らかさが増していく姿を楽しみたいという人はタンニン鞣しが向いています。
柔らかい革財布のメリット・デメリットとは
前述では柔らかい革財布が柔らかい理由についてご紹介しましたが、柔らかい革財布のどのようなところが良いのか分からないという人も多いのではないでしょうか。
ここでは、柔らかい革財布のメリット・デメリットについてご紹介します。
柔らかい革財布のメリットとは?
柔らかい革財布のメリットは以下の通りです。
手に馴染んで使いやすい
柔らかい革財布は手に馴染みやすく、使いやすいという一面を持ちます。
カードポケット周りもほど良い柔らかさがあるためカードの出し入れがしやすく、カードをたくさん持ち歩く人に向いているでしょう。
上質な雰囲気を楽しめる
クロム鞣しで作られた革財布は、最初から柔らかさと光沢感を持っており、高級で上質な雰囲気を楽しむことができます。
また、タンニン鞣しでは、長く使うことで少しずつ色味が深くなったり、光沢感が強くなったりするため、上質な雰囲気が日に日に増していく点を楽しむことができるでしょう。
鞣し方で異なるメリットがある
クロム鞣しされている革財布の場合は、柔らかいさはもちろん、軽くて丈夫、水分に強いという特徴を持っているので、あらゆるシーンで使いやすいという点がメリットです。
また、タンニン鞣しされている革財布は最初は硬い印象ですが、経年変化することでクロム鞣しとは異なる柔らかさやしっとりとした質感を得られます。
柔らかい革財布のデメリットとは?
柔らかい革財布のデメリットは以下の通りです。
型崩れしやすい
柔らかい革財布は手に馴染む点がメリットになりますが、一方で型崩れしやすいというデメリットも持っています。
カードや小銭を入れすぎたり、ズボンのポケットにしまったりして使うことで、柔らかい革財布は型崩れしてしまうことも少なくありません。
硬い革財布よりも型崩れしやすいので、柔らかい革財布は使い方に気を付ける必要があります。
鞣し方で異なるデメリットがある
クロム鞣しの革財布は最初からほど良い柔らかさを持っていますが、タンニン鞣しとは異なり、ほとんど経年変化することがありません。
一方、タンニン鞣しされた革財布は水分に弱く、色落ちしやすいという性質を持っています。また、物によってはオイルやクリームなどを用いたメンテナンスが必要なので、手間がかかります。
ココマイスターでおすすめの柔らかいメンズ革財布3選
ここでは、ココマイスターでおすすめの柔らかいメンズ革財布を3つご紹介します。
COCOMEISTER(ココマイスター)
国 | 日本 |
---|---|
創業 | 2009年 |
価格 | 2万円~56万円 |
HP | http://cocomeister.jp/ |
ココマイスターでおすすめの柔らかいメンズ革財布3選
【マルティーニシリーズ】マルティーニ オーモンドウォレット
価格:¥40,000
スーツやジャケットと相性が良く、落ち着いた紳士的な雰囲気が魅力の“マルティーニシリーズ”です。最高級オイルドレザーを全面に使用しています。
しっとりとした手に馴染む質感をはじめ、ほど良いハリ感と独特なシボ感が特徴です。ビターなカラーバリエーションは、紳士が使いやすいでしょう。
また、経年変化することで上品な光沢が増し、風合いも深めてくれます。上質で紳士的な雰囲気が魅力の柔らかい革財布を探している人におすすめです。
ココマイスター 公式オンラインショップで財布を見てみる
【ナポレオンカーフシリーズ】ナポレオンカーフ ヘラクレスウォレット
価格:¥33,400
イタリア産の最高級カーフをベースとしたオイルドヌバックが特徴的な“ナポレオンカーフシリーズ”です。銀面をサンドペーパーで擦り、起毛させています。
ナポレオンカーフは手に吸い付くような質感と、豹変とも言える経年変化が魅力です。一方で色落ちしやすい特性もありますが、それを含めてナポレオンカーフの魅力と言えます。
ナポレオンカーフシリーズはファンの間で「手触りの良さで右に出る物がない」とも言われているので、圧倒的な経年変化と手触りの良さを重視している人におすすめです。
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【マットーネシリーズ】マットーネ マルチオリヴェート
価格:¥39,000
ココマイスターを代表する“マットーネシリーズ”です。イタリア伝統の“バケッタ製法”と呼ばれる製造方法によって作られたマットーネは、オイルがたっぷり染み込んでいる点が特徴になります。
購入当初からコシがあって柔らかい印象です。また、経年変化することで光沢感やしっとりとした手触りを楽しむことができるので、使い込むことで魅力が増していく革財布でもあります。
少しずつ柔らかくなっていく革財布を探している人におすすめです。
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柔らかいメンズ革財布を取り扱うおすすめブランド財布5選
ここでは柔らかいメンズ革財布を取り扱うおすすめブランド財布をご紹介します。
柔らかい革財布の購入を検討している人や、興味を持っていたという人は、ぜひ参考にしてみてください!
GANZO(ガンゾ)
出典:ganzo.ne.jp
国 | 日本 |
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創業 | 1917年 |
価格 | 3万円~18万円 |
HP | http://www.ganzo.ne.jp/ |
ガンゾでおすすめの柔らかいメンズ革財布は?
Minerva Natural (ミネルバナチュラル)ファスナー長財布
価格:¥24,840
ミネルバ・ボックスを使用したラウンドファスナー長財布です。一般的なラウンドファスナー長財布よりも厚みがないので、スマートに使うことができます。
イタリア伝統のバケッタ製法で作られたミネルバ・ボックスは柔らかく、経年変化することで手に吸い付くような質感へと変わります。
ガンゾ 公式オンラインショップで財布を見てみる
HERZ(ヘルツ)
国 | 日本 |
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創業 | 1973年 |
価格 | 1万円~3万円 |
HP | https://www.herz-bag.jp/ |
ヘルツでおすすめの柔らかいメンズ革財布は?
ミネルバ・ボックス 長財布(GS-42)
価格:¥23,760
ミネルバ・ボックスを使用した長財布です。開いた時に現れる上下のシンメトリーな曲線が特徴となっています。
十分な機能性と柔らかで手に馴染む質感が魅力です。経年変化することで色味が濃くなっていき、光沢感も増していきます。
ヘルツ公式サイトで財布を見てみる
AYAME ANTICO(アヤメアンティーコ)
国 | 日本 |
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創業 | 2014年 |
価格 | 2万円~4万円 |
HP | https://ayameantico.jp/ |
アヤメアンティーコでおすすめの柔らかいメンズ革財布は?
イントルノ ポルタフォーリオ
価格:¥32,000
外装にミネルバ・ボックスを使用し、内装にヌバックを使用したラウンドファスナー長財布です。柔らかな質感とほど良いシボ感が特徴になります。
シボが消えるほど深い経年変化するため使い続けることでシボ感はなくなってきますが、その分、柔らかさや光沢感が増していく点が魅力です。
アヤメアンティーコ公式サイトで財布を見てみる
土屋鞄製造所
国 | 日本 |
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創業 | 1965年 |
価格 | 2万円~5万円 |
HP | https://www.tsuchiya-kaban.jp/ |
土屋鞄製作所でおすすめの柔らかいメンズ革財布は?
トーンオイルヌメ クッションファスナー長財布
価格:¥26,400
土屋鞄製造所の中でも人気No.1素材と言われる“トーンヌメ”を使用したラウンドファスナー長財布です。見た目を裏切らない柔らかな質感が特徴になります。
手に馴染む柔らかい質感により、使用感も抜群です。
土屋鞄 トーンオイルヌメシリーズ一覧
IL BISONTE(イルビゾンテ)
出典:ilbisonte.jp
国 | イタリア |
---|---|
創業 | 1970年 |
価格 | 3万円~6万円 |
HP | http://www.ilbisonte.jp/ |
イルビゾンテでおすすめの柔らかいメンズ革財布は?
ロングウォレット 54_1_5492300040
価格:¥44,280
真鍮付きのベルトがアクセントとなっているロングウォレットです。購入当初の質感はやや硬い印象ですが、革を育てることでクタッとした柔らかさに変化していきます。
カラーバリエーションが豊富なので、経年変化による色味の深さを予測して選ぶと良いでしょう。少しずつ柔らかくなっていく革財布を求めている人におすすめです。
イルビゾンテ 公式オンラインショップで財布を見てみる
まとめ
柔らかい革財布はメリットもあればデメリットもあります。また、鞣し方は国や地域によって特色があるため、実際に革財布を触ってみるのも良いかもしれません。
柔らかい革財布選びで悩んでいたという人は、ぜひブランド紹介を参考にしてみてください!