流行に流されず、丈夫で使いやすいこだわりの革製品を作り続けているHERZ(ヘルツ)。
見た目は無骨ながらも革本来の魅力を最大限活かしたヘルツの製品は高く評価されており、主要都市に直営店を次々とオープンさせ、着実にファン層を広げています。
中でもメンズ革財布は人気があり、手に取るとすぐに革本来の香りが立ち、弾力のある独特の手触りも最高。革好きの男性の心を捉えて離しません。とくにヘルツの革製品は経年変化(エイジング)を楽しめることでも評判があります。
今回は、そんなヘルツの歴史や特徴、財布の評判やメンテナンスの方法、おすすめの財布について紹介していこうと思います。
HERZ(ヘルツ)の財布ってどんなブランド?
ヘルツは、国内の工房で一つ一つハンドメイドで製品が作られている純粋なメイドインジャパンのブランド。1973年に創業者・近藤晃理氏が一人で革鞄作りをはじめ、今ではスタッフ70名で会社を切り盛りしています。
社名の「ヘルツ」はドイツ語でハート(心)という意味。見た目の華やかさではなく、「永く使える物づくり」をモットーとしているヘルツらしい名前だと言えます。
ヘルツの2つのこだわり
①「丈夫さ」へのこだわり
ヘルツが強くこだわっているのは、製品の丈夫さ。天然革が持つタフさ、質感を一切失わせないよう革はあまり漉かず、厚いまま使用。太いステッチ(縫い目)、目に留まるほど大きな金具が使われているのもヘルツならでは。
②「製作工程」へのこだわり
また革の裁断を除いては、製作工程を分業せずに、最初から最後まで一人の職人が担当する、というこだわりも貫いています。ミシンを踏み、ハンマーを握る……手作り感あふれる仕上がりには、それぞれの職人が責任を持って作ったという誇りが込められています。
注文を受けてから職人が手作りする
ヘルツでは、どんな小さな小物であっても注文を受けて作ります。これもヘルツならではの大きな特徴ですね。
オーダーメイドの場合、職人が一から丁寧に作り上げていくので完成までに時間は掛かります。しかし仕上がった製品を手に取り、革の香り、肌触りを感じた時、待った甲斐があったと深く実感するでしょう。
注文後完成品を受け取るとき、製品といっしょに一通のメモが送られてくるのが通例。そこには出来上がった製品を愛して欲しいこと、そして革製品を扱う際の注意事項などがスタッフの手書きで書かれています。革を愛し、顧客を愛する。それがヘルツの精神です。
ヘルツの財布の特徴とは?
天然革の表情が、製品の独自性になる
ヘルツの財布は二つとして同じものがありません。革の表面に色を乗せたり、加工を施すということを一切せず、革本来の自然な風合いをそのまま製品のオリジナリティーにつなげているからです。
ヘルツでは、堅牢で天然革が持つ風合いを生かした二種類のオリジナルレザーを使って、製品を作っています。
ラティーゴ(ハード・ソフトレザー)
なめらかなレザーで、丈夫で厚みがあるのが特徴。ラティーゴの中でも厚みの違いによってハードレザーとソフトレザーに分類されています。
スターレ(ソフトレザー)
天然革が持つシボ(革に出るシワ)に特徴があるソフトレザー。シボの入り方は一枚の革の中で部位ごとに異なるので、製品ごとに違いが出ます。ラティーゴに比べると薄めの仕上がりとなる。
またこの2種類以外にも、本国から取り寄せたイタリアンレザーで作られている革財布もあります。
一枚革仕上げによる製法
普通の革財府は見た目を良くするために裏地が付けられていますが、ヘルツの革財府は、実用性、耐久性を重視し裏地は付けられていません。
財布の場合、特に小銭を入れる部分は長く使ってくると裏地から痛むもの。裏地のないヘルツの革財布だと、革本来の味わいを感じつつ末永く使うことができます。
経年変化(エイジング)による楽しみ
ヘルツの財布は、天然革の良さを感じてもらうべくとにかく「薄化粧」です。余計な加工をしてない分、時間が経つと革の色が濃くなり(経年変化)、独特の表情を見せるようになります。
Organイタリアンレザーの経年変化(エイジング)
「ものが古くなる」というと、どちらかというと否定的なイメージで語られることも多いですが、ヘルツの革財布に至っては全く別。何年も使い込んでいくうち独特の色合いになり、また使っているうちについた傷やシミも、財布の個性として独自の雰囲気を醸し出すようになります。
ヘルツの革製品は、こういった革独特の経年変化を十分に楽しませてくれるブランドなのです。
ヘルツのメンズ財布の全種類(タイプ)をご紹介
HERZ(ヘルツ)が現在リリーズしているメンズ財布の全タイプ(二つ折り財布、小銭入れ、Organモデル、長財布/ロングウォレット、マネークリップ)を特徴とともにご紹介していきたいと思います。
1.二つ折り財布
革財布にしては大きめのファスナーをつかい、マチ部分を大きくしつつ中身の安全も確保。縁部分にある2本のステッチは手作り感が醸し出し、この財布独特の表情となっています。
ポケットにすっぽり入る手のひらサイズで、派手さよりも機能を重視し、革の良さを最大限生かすヘルツの心を体現したメンズ財布です。
2.小銭入れ
コンパクトな設計ながら、ハードレザーの質感は抜群。革独特の肌触りを楽しめます。口が大きく開くボックス型で中身を一目で確認できるのも魅力。天然革本来の感触、そして機能性を重視したヘルツらしい小銭入れです。
3.Organモデル
「Organ」とは工房とショップが一つになっている空間のことで、Organモデルの製品はヘルツこだわりの限定商品です。
このラージウォレットは、イタリアの「バダラッシィ・カルロ社」で作られたベジタブルタンニンなめしの革、「ユーフラテ」が使われています。軽くて柔らかいのが特徴で、使い込まれたかのような独特の表情を持つ革です。革の特徴を最大限に活かした、ヘルツならではの革財布と言えます。
4.長財布/ロングウォレット
スマートさと収納のバランスが考えられたL字ファスナー長財布です。薄い作りなので胸ポケットに収まりやすく、それでいて中には小銭入れを挟んで4枚のカードポケットが付き、高い機能性を持っています。
表面は天然革そのままの素材が活かされ、財布ごとに異なる革の表情が、そのまま財布の個性となります。ヘルツの革財布特有の肌触りを楽しめる一品です。
5.マネーグリップ
小銭入れが付いたタイプのマネーグリップで、お札、小銭どちらにも瞬時に対応できます。
コンパクトな作りながら革独特の質感を楽しむことができ、それでいて使いやすさも追及されています。太いステッチが縁を通っているので、長年使っても痛みにくく、長く人生のパートナーとなってくれるでしょう。
ヘルツの財布はメンテナンスでさらに輝きが増す
真の革の味わいにこだわっているヘルツの財布は、定期的にメンテナンスすることでさらに手に馴染み、深みのある色合いが増します。
専用オイルを使ったメンテナンス
普段から手に取ることの多い財布の場合、鞄・バッグほど頻繁にする必要はありません。ただ数か月に一度、保革用のオイル(ラナパー、ミンクオイルなど)を塗ると、財布の表面の色が濃くなり、独特のツヤが出てくる革独特の変化を楽しめます。
イタリアンレザーの場合はオイルメンテナンスをする必要はなく、乾いた布で表面を拭くだけで十分です。
水に濡れてしまった場合は
雨の日にポケットから取り出して濡れてしまった場合、乾いた後に水染みが残ることがあります。
水が大敵なのは革製品の宿命ですが、ちょっとしたポイントを押さえることで、染みを目立たなくすることができます。
表面を水拭きして馴染ませる
水で濡らした布巾を使い、全体に水染みと同じくらい馴染ませるように水拭きするとシミのような見た目ではなくなります。
自然乾燥させること
無理に表面を擦ったり、ドライア―で乾かしたりすると、革の表面が乾いてカサカサになり、却ってダメージが大きくなります。自然乾燥で十分乾かしたのち、保革用オイルを塗っておきましょう。
実際のメンテナンスのやり方を動画で紹介
ヘルツの革財布の評判、口コミは?
手作り感を前面に押し出し、革本来の味わいを追及しているヘルツの財布。ネット上の評判、口コミはどうなっているでしょうか?
ヘルツの財布のAmazonでの口コミ、評判
まずは「ミッスーリ」というイタリアンレザーを使った革財布のレビューです。
シンプルで使いやすい革財布。チャックは滑らかに動き、開口は大きいのでカードやお札の出し入れスムーズ。手に持ったときの質感が心地よい。不思議と大事に大事に使い込みたくなる。革に多少の傷がつくことはよくあり、安いオイルでもいいので塗り込めばわからなくなる。
シンプルさ使いやすさ、そして厚めの革を使っているヘルツの財布ならではの質感が評価されていますね。
続いては、仕切り付きの小銭入れです。
作りはしっかりしており、ファスナーも悪くありません。こちらの商品はコンパクトでジーンズのポケットにも収まりますので、On/Offとも財布がひとつになり楽になりました。
しいていえば、お札を一つ折りにして入れると角がファスナーで切れます。また、不用意にファスナーを開けると小銭がこぼれ落ちることも。それでも、コンパクトで収納も十分で使いやすく重宝してます。
外側の大判部分は柔らかいシボのある厚手の革、内側の小銭入れ、およびジッパーのつまみ部分がハードな革でした。
これら革の質感と香りがとても魅力的で、大変に気に入りました。他のレビューでは旧刻印とありましたが、当方に届いた物は画像と同じ新刻印です。ジッパーの調子も良く、とても良い買い物になりました。
革本来の魅力を最大限生かしていることが評価されています。ファスナーの使いやすさも言及されています。
ヘルツの財布の楽天での口コミ、評判
楽天でのヘルツのマネークリップに対する評価です。
今まで使っていたマネークリップがこわれた、と嘆いていた父にプレゼントしました。薄くて小型なのを探していてたどりつきました。
いままでのが、とってもなじんでいて使いやすかったようなのですが、とてもよろこんでくれました。
出典:http://review.rakuten.co.jp/
物としては悪くないし、ステッチのピッチも揃っているけど、糸の抜け側やしまいが雑、コバの塗りも雑だし重ねた部分がすぐに割れてきた、コバ端面ザラザラ(この価格で磨けとは言わないが)、外側に出ているクリップの真鍮部分の角がエッジが立っていて、内側にはバリの残り(セラミックヤスリで自分で面取りしました。)。HERZのクオリティはこの程度なのかと誠に残念です。皮の素材自体は悪くないですが、前モデルの方にすれば良かったかなと思いました。使い勝手としては良いです。
少し厳しい意見もありますが、ヘルツのマネークリップは★2以下の評価は未だ付けられていません。
ヘルツの財布の2chでの評価
魅力的な手作り感
HERZって店の財布なかなか良いよ
手作り感満載なところとか
他の革ブランドの財布にはない手作り感が評価されています。
ヘルツの天然革の特徴
小銭入れ付きのマネークリップを買ってみたらやはり革が厚いわ硬いわで非常に使いにくい。 ここを読むとミンクオイルを塗ると柔らかくなりそうだったので、オイルを毎日塗りまくって ギュウギュウ押しつぶしたりグニャグニャ曲げたりしているうちにいい感じになってきた。 そういえば子供の頃に買った野球のグローブも最初は固かったなーと懐かしい気持ちになった。
野球のグローブのように、使い込んでいくうちに手に馴染んでくるようです。
使わずに放置していると・・・
あまり使わずに放置して忘れてた二つ折り札入れを引っ張り出して磨いてる HERZの革ってイマイチ光沢が出にくいな タンニンなめし革にしては腰が弱いというか 手のひらで摩擦しまくっているが、鏡面光沢が出るかどうか微妙な感じ
繊細な革を使っているヘルツの財布。放置して革を痛めてしまうと、回復が難しいようです。定期的なメンテナンスが大切ですね。
ヘルツのおすすめメンズ財布をご紹介
おすすめできるヘルツのメンズ財布を5つご紹介します。
Organ(オルガン)「二つ折り財布」
シンプルな見た目ながら、ふっくらとした革の折り目が特徴の二つ折り財布です。収納部分が右側に集約されているので、カード部分と小銭部分が擦れることもありません。スーツ、パンツのポケットにも入りやすい、コンパクトサイズです。
Organ(オルガン)「長財布」
ヘルツの財布というと大きなステッチがあることで有名ですが、こちらの革財布は表にステッチが見えません。革ならではの感触を思う存分楽しめる設計になっています。
中には8カ所のカードポケット、2カ所のお札入れ、ファスナー付きの小銭入れが付き機能性は抜群。ふっくらとした独特のフォルムも魅力です。
船形巾着小銭入れ
見た目はまさに「船形」となっている小銭入れです。外郭が頑丈な作りになっているので痛みにくく、それでいて中の部分は革の持つ肌ざわり、厚みのある質感を楽しめます。愛嬌のある見た目ですので、ちょっとしたプレゼントとしても最適でしょう。
一枚革のシンプルマネークリップ
装飾が一切なく、革本来の感触を追求した一品で、まさに引き算デザインの極致とも言えるでしょう。フラットな作りながら、厚い革が使われているので持ちごたえも十分。注文時に、カードポケットが付いているタイプと付いてないタイプのどちらかを選べます。
ラージファスナーウォレット
普通の長財布よりも一回り大きなサイズで、収納力、収納箇所が豊富です。小銭入れ、カード入れの他に、通帳、お札が入るスペースが4カ所も作られています。パスポートが入る大きさなので、海外旅行に行くときなどに重宝するでしょう。
正規品は公式サイト、または直営店でのみ購入可能
ヘルツは2016年9月末日を持って卸売り販売事業を終了しています。ですので、ヘルツの正規品を購入できるのは、ヘルツの公式サイトと全国6カ所ある直営店のみとなっています。
公式サイトでの購入
公式サイトから購入する場合、全て注文を受けてから作成するという形になります。納品まで7~8週間ほど見ておく必要があるので、誕生日のプレゼントなど特定の期日までに用意したい場合は、納期のことを考えておく必要があるでしょう。希望すれば簡易的なラッピングもしてくれます。
直営店での購入
主要都市に6カ所あるヘルツの直営店は、なんと工房と販売所が一体化しています。ですので、お店に行くとミシンを踏む音やハンマーと叩く音が聞こえるという、他の革ブランド店では考えられないような独特の雰囲気、魅力があります。店舗内には作成済みの既製品が販売されていますが、オーダーメイド、修理の受付は全店舗で可。
ヘルツ本店
東京都渋谷区神宮前5-46-16
表参道駅から徒歩約7分2014年に創業40周年を記念してオープンしたヘルツ最大の店舗。商品を陳列しているフロアの奥には、職人が実際に革製品づくりに従事しています。
Organ
東京都渋谷区神宮前5-13-2 パインアンダーフラット1F
明治神宮前駅から徒歩約5分、表参道駅から徒歩約8分Organ(オルガン)は、現本店が作られる前のヘルツの東京における直営店だった場所。今でも販売、製作を続けています。ヘルツの新製品が生み出される場所でもあり、出来立てのサンプル品が店頭に並ぶ店としても知られています。
ヘルツ大阪店
大阪府大阪市西区南堀江2-4-4
長堀鶴見緑地線西大橋駅から徒歩約6分、地下鉄千日前線桜川駅から徒歩約5分2階建ての店舗で、2階に行くと工房の様子が見られます。お店の前には、スタッフが端革を使って季節ごとに作っている看板にも注目。
ヘルツ名古屋店
愛知県名古屋市中区丸の内2-18-25 丸の内KSビルB1F
地下鉄桜通線、舞鶴線の丸の内駅の3番出口から徒歩約1分2016年1月に東海地区に初めてオープンした名古屋店。創業者が作ったカラフルな看板が目印になっています。木の温もりを感じられる商品陳列が行われ、工房の様子を間近で見ることもできます。
ヘルツ博多店
福岡県福岡市博多区博多駅前3-16-10 興産ビル1F
博多駅からはかた駅前通りを直進し、博多区役所南口の交差点を左斜め前に進むと左手に店舗が見える。博多店は2017年3月3日にリニューアルオープンします。他の直営店と同じく、店舗兼工房としての機能を持ち、作り立ての製品を販売しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
国内の革財布ブランドとしては老舗になりつつありますが、革本来の質感、丈夫さを追求したヘルツの革財布の特徴、口コミ、おすすめの商品などを紹介しました。
ヘルツの情報をまとめておくと、
- 1973年創業で、ブランド名の「Herz(ヘルツ)」の意味は「心」。
- 見た目の良さを追求するのではなく、丈夫な作りで革本来の味わいを活かすことを追求。
- ヘルツのオリジナルレザー、イタリアンレザーを使って製品を作っている。
- 革の表情が製品ごとにことなり、外観が全く同じ革財布はない。
- 保革用オイルを使ったメンテナンスは大切。
- 水染みが付きやすいので雨の日は注意。シミが出来た場合は表面を水拭きして馴染ませる。
- 直営店は全国に6店舗。公式サイトでも購入できる。
- オーダーメイドの場合、製品が手元に届くまで7~8週間かかる。
ヘルツの革財布は、他のブランドに比べると華麗さや高級感は乏しいと言えます。
しかし「革」とは、もともと男性的な丈夫さをウリとする素材。その革の良さを最大限に活かし、一生使えるほどの耐久性を持つのがヘルツの財布です。
革の香り、感触、独特の経年変化を愛する真の革好きには、ヘルツの革財布はぜひおすすめです。