数ある革素材の中でも、高級皮革の頂点に立つ“クロコダイル(ワニ革)”に魅力を感じる人も多いのではないでしょうか?
クロコダイルのウロコ模様や艶の美しさに魅了される人はもちろん、その希少性に注目する人も多く見られます。
また、高級皮革であるクロコダイル革の財布を持つことが一種の“ステータス”として認識されることも少なくありません。
しかし、ひと口にクロコダイルと言っても全てが本物というわけではないのです。
実は、本物のクロコダイルの他に、型押しクロコなど、いわゆる“なんちゃってクロコダイル”や“悪意ある偽物のクロコダイル”が出回っていることもあります。
そこで、ここでは
- 本物のクロコダイルの見分け方や種類、特徴
- クロコダイル財布と型押しの違い
- 本物のクロコダイル財布の相場
こちらの3点にスポットを当ててご紹介します。
クロコダイルの購入を検討されている人や、本物のクロコダイルに興味を持っている人はぜひ参考にしてみてください。
本物のクロコダイルの見分け方とは?
クロコダイルを使った財布やバッグなどを購入する時、どこを見て本物かどうか見極めていますか?もしかすると、店頭に並んでいるものはすべて本物のクロコダイルと認識しまっている人もいるかもしれません。
また、昨今ではインターネットから購入するという人も増加傾向にあるため、偽物や型押し、品質の低いクロコダイルを購入してしまうケースもあるようです。
そこで、クロコダイルを購入する前に、最低限の見分け方と注意すべきポイントについてご紹介します。
「ウロコ模様」を確認する
本物のクロコダイルはウロコ模様が“バラバラ”になっています。クロコダイルのウロコは人間で言うところの“髪の毛”や“肌の色”と同じで、それぞれに個性があるのです。
これが偽物のクロコダイルの場合、不自然と思えるほど均一なウロコ模様になっています。低価格で購入できることから、なんちゃってクロコと称される“型押しクロコ”も均一なウロコ模様です。
本物のクロコダイルのウロコ模様は、四角いウロコ模様の「竹腑」と丸模様の「丸腑」があり、両端に行けば行くほど細かいウロコ模様になっています。
「穿孔の有無」を確認する
穿孔はクロコダイルのウロコに“針で刺したような穴”があるかないかで、カンタンに判断することができるため、本物かどうか見分けるためのポイントになります。
しかし、ツヤ加工や重ね塗りをしているクロコダイルである場合、穿孔が見えないということもあるようです。また、個性によって穿孔が確認できないという例もあります。
そのため、あくまでも“穿孔の有無によって本物か判断しやすくなる”という認識でいることがおすすめです。必ずしも“穿孔がない=偽物”というわけではありません。
「手触り」を確かめる
手触りで確かめるのは難しい方法ではありますが、偽物か判断するためには有効な手段です。
クロコダイルは硬い革というイメージを持つ人も多いようですが、実は“手に馴染むような柔らかさ”が特徴の一つです。
その反対に、クロコダイルの代わりによく使われるカイマンワニ(アリゲーター科)は、ゴツゴツとした肌触りが特徴で、本物のクロコダイルと比較すると分かりやすいでしょう。
「店員さん」に聞いてみる
最も確実なのは、店員さんに聞いてみることです。店員さんに直接聞いて本物か確認することで、ミスマッチを防ぐことができます。
注意しておきたいポイントとして“店員さんが革に詳しくない”ということが挙げられます。セレクトショップや百貨店の店員さんは、正確に答えることができない可能性があるでしょう。
店員さんに自信がないようであれば、クロコダイル専門店や、明確にクロコダイルの情報が提示されている店舗の利用をおすすめします。
本物のクロコダイルの種類と特徴は?
そもそも製品として使用される本物のクロコダイルは“4種類”しかないと言われています。ここで「クロコダイルの種類はもっといっぱいいるのでは?」と疑問を感じてしまう人もいるかもしれません。
こちらの疑問には後述の「クロコダイルのランクについて」で触れていきたいと思います。ここでは、本物のクロコダイルとして製品に使われる種類についてご紹介します。
本物のクロコダイルである4種類は以下の通りです。
- スモールクロコダイル(イリエワニ)
- ナイルクロコダイル(ナイルワニ)
- ラージクロコダイル(ニューギニアワニ)
- シャムクロコダイル(シャムワニ)
それぞれの種類と特徴を見ていきましょう。
スモールクロコダイル(イリエワニ)の特徴
学名でポロソスと呼ばれる、クロコダイル革の中でも最高級品として知られています。スモールクロコと呼ばれることから、小さなワニを想像しがちですが、実はスモールとはウロコのことです。
小さくて細かいウロコが綺麗に並んでいることから、人気の高いクロコダイルです。
ナイルクロコダイル(ナイルワニ)の特徴
ナイルクロコはアフリカに生息しており、学名はニロティカス。スモールクロコやラージクロコと同様に、高級品として使用されています。
ブランドによっては、他のクロコダイル革よりもナイルクロコを好んで使用しているケースもあり、クロコ財布やバッグなどの素材として見かける機会も多いでしょう。
ラージクロコダイル(ニューギニアワニ)の特徴
学名はノヴァギニア。日本で最も古くから使われているクロコダイル革で、スモールクロコよりもウロコが大きいのが特徴となっています。
バッグや財布などのアイテムに使用した時、高級感とクロコダイルならではの迫力が楽しめる高級皮革として人気です。
シャムクロコダイル(シャムワニ)の特徴
学名はシャムワニという呼称で、そのままとなっています。タイ原産のクロコダイルで、100%養殖という点が他のクロコダイルと一線を画す点です。
古くから養殖されていたものの、養殖技術や管理が整っていなかったため、つい最近までは注目を集めていませんでした。しかし、現在では問題点が改善され、高品質なクロコダイル革を楽しむことができます。
クロコダイルの種類のランクについて
前述にて本物のクロコダイルは4種類とご紹介したため「クロコダイルの種類はもっといっぱいいるのでは?」と疑問を持った人も少なくないのではないでしょうか?
この疑問を解消するには、まず“クロコダイル=ワニ革”という認識を止めなければなりません。なぜなら、厳密に言うと、ワニ革は以下の3種類を挙げることができるからです。
- クロコダイル
- アリゲーター
- カイマン
このように“ワニ革は3種類”あり、それぞれ素材として表記される際には“クロコダイル”“アリゲーター”“カイマン”というように区別されます。
表記する際に区別する理由は、クロコダイルをはじめとする、エキゾチックレザーを何十年も扱っているプロでさえ見分けるのが難しいからです。
上記の画像はラージクロコとアリゲーターを比較しているものですが、ウロコ模様が非常に似ているため、クロコダイルの見分け方を知らない人から見ると、どちらが本物か分からない可能性が高いでしょう。
そして、ワニ革をランク付けをする場合は“クロコダイル>アリゲーター>カイマン”という順番で高級とされており、価格だけでなく、ウロコの美しさなども考慮されているようです。
また、アリゲーターはクロコダイルよりも安価だと思われがちですが、実際はクロコダイルと同等の高級品として扱われています。
クロコダイル財布と型押しの違い
クロコダイル財布を購入しようとした際、驚くほど安く売られていて驚いたという経験をしたという人もいるのではないでしょうか?
本物のクロコダイル財布の相場については後述したいと思いますが、1万円~3万円前後の価格帯で販売されている財布は“型押し財布”かもしれません。
この型押し財布は、革を好む人やファッション好きの人の間で“なんちゃってクロコ”などと言われることもあるアイテムになります。
こちらの画像は上が“本物のクロコダイルレザー”で、下が“型押しクロコ”になります。比較してみると、違いが良く分かるのではないでしょうか。
ここからはより詳しく、本物のクロコダイルと型押しクロコの違いについてご紹介していきたいと思います。
本物のクロコダイルは商品タグに記載されている
本物のクロコダイル財布の商品タグには、素材にクロコダイルという記載があります。しかし、型押し財布の表記には“型押し”や“牛革”などが記載されています。
本物のクロコダイルと間違わないように、インターネット通販では商品詳細をよく読んだり、素材欄を見たり、しっかり確認してみましょう。
穿孔の有無や肌触りが違う
本物のクロコダイルの見分け方でもご紹介した通り、基本的に本物のクロコダイルには穿孔があります。当然ではありますが、型押しクロコには穿孔がありません。
また、型押しクロコはビニール素材や牛革素材が一般的になっているため、本物のクロコダイルの肌触りに違いが出てきます。
偽物はどういうところで売られているのか
本物のクロコダイルと勘違いして購入してしまうという基準を設けた場合の“偽物”は、基本的にクロコダイル専門店以外で売られています。
しかし、商品のタグをクロコダイルと表記したり、型押しクロコを本物と偽ったりするような、悪意あるお店はほとんどないでしょう。
それでも本物のクロコダイルか分からなくて不安という人は、クロコダイル専門店に足を運んでみたり、インターネット上で見てみると良いかもしれません。
こちらでも、本物のクロコダイルを取り扱っている、ブランドをご紹介していますので、ぜひ確認してみてください!
本物のクロコダイル財布の相場について
本物のクロコダイル財布の相場については、ブランドによって大きく差が出てきてしまいますが、概ね“5万~25万”になるようです。
コストを徹底的に抑えているブランドの場合、5万~7万程度で販売していることもあります。その反対に、品質も素材も徹底的にこだわっているブランドの場合、価格の上限が見えません。
また、本物のクロコダイルを購入されている人の多くは、10万~15万程度を目安に購入しているようです。
まとめ
本物のクロコダイルか確認する方法や特徴をご紹介してきましたが、やはり不安が残ってしまう人も多いのではないでしょうか。
そんな時は、安心して購入することができる店舗を見つけることをおすすめします。クロコダイル専門店を利用することで、偽物や低品質アイテムの購入を避けることができます。